『その冷えた指先にR』  
   
(9)



「れいちゃん?怒ってる?」


そう言いながらじっと見詰めれば、見返してくる瞳のあどけなさは昔のまま。それがまた、あんまり可愛らしくて、思わず顔が綻ぶ。見つめた視線を一瞬、彼女の手に落とし。無意識にシーツを握り締めているその手を取って。

「今日も、冷たいんですね」

二人だけの暗号を込めて、囁いた。

「……今、暖めて差し上げますから……」

指先に軽く触れるだけのキスをひとつ。
ねぇ、このキスがどんな意味か、ちゃんと覚えてますよね?



「んっ……ん……んっ……」


さきほどよりはずっと激しく深い口付けを仕掛けて。ついでに、二人の間にある邪魔なものも取り去って。無防備な身体を、存分に、手で、舌で、唇で、堪能する。全体に華奢なせいで余り目立たないけれど、実はCカップの胸は、特に僕のお気に入りで。丹念に愛撫を施せば、完全に麗華さんの意識は溶け出してしまったらしく、両足を180度に近いほど広げても、まったく抵抗がない。ゆっくりと花弁の合わせ目を指でなぞって開花を促しても――顔を両手で覆って、ただ震えているだけで。

(可愛すぎる)

「もう、こんなに溢れちゃってますよ?勿体無いですね」

そう言って、蜜を零す花に唇を寄せれば、

「……嫌だ、そんなこと、」

小さい呟きが頭上から降ってきたけれど。一番、彼女が嫌がることだって知ってるけど。それはきれいさっぱり無視してしまう。……どうしても消せない光景への、嫉妬心と、それを凌駕する、愛しい気持ちが僕の中に溢れてくる。

見知らぬ男に、同じようにされて泣きじゃくっていた彼女――僕との過去の関係をネタに義母の兄に強請られ、愛人として数ヶ月の間囲われていた間、ホテルに呼び出されては屈辱的な行為を強要され映像に撮られて、二重に脅されていたのだ――の姿を、二人の思い出で塗り替えてしまいたい。

そんな惨い姿はの映像は、もちろん、僕が全部破棄したけど。

(義伯父を、一生強請り続けられるだけの部分を、上手く編集したものだけを手元に残して、ね)

二度とあいつらが、貴女に手出しできないように。これでも裏でいろいろ手を尽くしてきたんだよ?ま、その辺りの背景は……僕だけが知っていればいいことだから、あなたに詳しく言うつもりはないけど。

舌を柔らかく使って花弁と花芯を丁寧に舐り、零れてくる甘い声を十分に堪能して満足し僕は、今度はその先から滴ってくる蜜を指先全体に絡めるようにしながら、膨らんできた花芽を押しつぶすように、少し強めに激しく擦り続けることに専念した。……きれいに背中を撓らせた麗華さんが高みに辿り着くまで根気よく。

「ああんっ、やっ…や……いっ………くっ……」

花のナカがざわざわと蠢いて、僕の指を締め付けてきた。その具合の良さに、思わず喉がなる。

(あーもー、我慢も限界〜)

まだ、身体が落ち着いていないだろう、とか、僕にとっては再会五日目でも、麗華さんにとってはほとんど青天の霹靂みたいな状況だよな、とか、少しは頭の隅っこで思ったけれど。力の抜けた彼女の片足を肩にかけて。きれいに咲いたその花の中心に、高まりきった僕の楔をぎっちりと埋め込んで。

思う存分、その狭くて暖かい場所を堪能した。

「あっ、やっ、ふみ……っ……ぁん、んっ……や……ぁ……っ」

もうすでに半分意識も怪しいまま僕の為すがままに揺さぶられている麗華さんの口からは、荒い呼吸とひっきりなしに零れ落ちる嬌声だけが聞こえてくる。

(この分じゃ、気づいてないんだろうなぁ)

実は今、ゴムを、つけてないってこと。

逃げたくなっても逃げられないようにしたいから。一生、僕の傍にいて欲しいから。どんな汚い手を使っても。


もう、誰にも、あなたを渡しはしない。



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