The last ...?     (26)










 両手を拘束された自分の状態と、彼の台詞にあった「お仕置き」という言葉が不安をかきたてる。一体、彼はなにをしようというのだろうか。

「こんなところにキスマークつけて、どういうつもり?」
「は?」

 きす、まーく??

「もしかして、こんなところにキスマーク付けられたことがわからないほど、あいつとのセックスに夢中だった?」
「……あ。」
「ふうん、心当たりがあるんだ」

 そう詰られても……ちがう、と声に出して誤解を解くわけにもいかず。先日のレストランでの清水君の戯れを思い出して、うっかり言い訳を口にしそうになったのを踏みとどまるため強く奥歯をかみ締めた。いけない。彼との決別に、この降って沸いたような清水君に対する誤解を利用しようと決めたばかりだというのに……。弱い、私。


 いつの間にか私の背中から降りた彼は、下半身だけベッドから落ちた体勢の私を後ろから抱えるように体を寄せた。右手で胸を弄りながら、背中への愛撫も止めない。

「く、」

 執拗に首筋を舐ってくる舌の熱さに、体が震える。そして……そのまま背中に向かった彼の舌が、私の感じるポイントに這わされ、

「……は…っ……ぁ……っ」

 思わず声が漏れた。

「あっ、やっ」

 舌で舐める合間に、突然、肩や脇腹を貴史君が噛んでくる。

「…いっ……ひっ……やっめ、…っ」

 その度に、強い電流のような刺激が全身を貫き――いつもなら自分の腕や枕、シーツなどを噛んでは必死で押し殺しているはずの声が、両手を拘束されているせいで制御できないまま口から飛び出してしまうのを阻止できない。



あっ う



 こんな大きな声……
 あの人…彼の、継母…が…聞いているかもしれないのに……


――嫌な想像に顔が歪み、視界も歪む。


「ふふ……久しぶりに、センセイのいい声聞けて嬉しいですよ。最近ずっと、我慢してたでしょう? ねぇ、そんないい声、あいつにも聞かせてあげてるの」

 もしかして、僕に聞かせてくれなくなったのはあいつのせいだったりする? 大好きな声が耳元でそんな酷い言葉を紡ぐ。もちろん……そんなことを彼に言わせているのが他ならない自分だとわかっている。……わかっているけれど、辛い。

「ま、さ…かっ…彼はこんな風に噛んだりなんかしない」

 辛さを怒りに変換させ、それが相手にどう受け取られるかも考えず。何とかいつもの強気のスタンスを崩したくない私の口は、(事実とはいえ)そんな憎まれ口を吐き出してしまう。

「ふぅ〜ん、そう」

 そう彼が呟いた途端、背中の温度が一挙に冷たいものになった気がした。

「ね、そう言えば……」

 ここ、も、ここ、も。

 そう言いながら、貴史君の指が、唇をなぞり………ひも状の下着が食い込んでいる部分をゆっくりとなぞり……今度は馴れた快感が走り出した。けれど……いつもと明らかに様子の違う彼の指先もまた、いつもとは少し違っていた。



「センセイの初めては、ぜんぶ僕がもらっちゃったんですよねー」

 それで、質問なんですけど。ねぇ……こっちのハジメテも僕がもらっていい? そう言いながら次に彼の指が触れたのは、

「……えっ………だ…、めっ……だ、」

 あろうことか、排泄のための……場所で。ありえない想像に思わず全身が硬直した。何とか恐ろしい事態を避けようと精一杯の力で身を捩ろうとしたタイミングで、強く胸の実を抓まれ、

「ひっ」

 同時に、つぷり、と彼の指がその場所に挿し込まれていた。










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う…もしかして、みなさん、ドン引き?(汗)
さほどのことはない、というかぬるい展開だとは思いますが、この先は自己判断でお進みください。

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